カバー曲

個人的にはカバー曲を意識して聴いたりすることはありません。そういう人は少なくないように思います。でも、世の中にカバー曲は多く溢れています。原曲に忠実にカバーしているもの、思いきったアレンジをしたもの、首を傾げるもの、いろいろあります。

そんな中で、最近、久しぶりに衝撃を受けたカバー曲がありました。

それは、King Gnuがカバーした『飾りじゃないのよ涙は』です。

言わずと知れた井上陽水さんの名曲です。この曲は、その井上陽水トリビュートアルバムに収録されています。
そしてこのカバー曲は、良い意味で原曲と全くイメージを変えた仕上がりになっています。King Gnuっぽいアレンジに藝大声楽科出身のvocal井口さんの歌声が乗ると、かなりカッコいいです。

さすがのセンスが光ってます。

カバー曲で久しぶりに痺れました。

『劇場』と『舞台』

年末年始に又吉直樹さんの『劇場』と西加奈子さんの『舞台』を読みました。この二冊を狙って読んだのではなく、たまたま気になって手に取り、続けて読んだだけなのですが、何か意味のある組み合わせになっていました。

二冊とも人間が生きていく中で自分を演じると言うことを書いていました。私にも思い当たることが多くあり、とても興味深く読むことができました。

人は属する団体や場所によって、求められる役割を演じ分けているところが多かれ少なかれあると思います。それを意識的にやっているか、無意識的にやっているかで、生き辛さが違ってくるのではないでしょうか。

私自身は望まない自分を演じ続け、疲れはて、夜な夜な風呂の中で瞑想を繰り返してますが。

又吉さんは西さんの小説の後書きを書いていたりするようなので、何かお互いに共振するものがあったのかもしれません。この二冊を偶然にも続けて読んだことで、考えさせられた年越しになりました。

西さんの『舞台』は、構成も心の機微の捉え方も、どうしたらこんな風に出来るんだろうと言う感じです。『サラバ』も好きですが、『舞台』も良いです。

ちなみに、又吉さんの『劇場』は『火花』を書く前に執筆し、途中で『火花』を書いてから書き上げたらしいです。そのせいなのか個人的には途中から印象が変わり、入り込めた感じがしました。私の気のせいかも知れませんが。